2016.04.27 Wednesday
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新庄剛志 札幌ドームで引退会見…「夢を探しに行きます」
最後まで見る人を驚かせる新庄サプライズを貫いた。プロ野球パ・リーグ、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志選手(34)は日本一から一夜明けた27日、札幌ドームで引退会見に臨んだ。新庄選手は球団が用意した会見場の使用を拒否し、マウンドで報道陣の質問を受けた。プロアマを問わず、野球を続けることについて「考えていないが、今のところないかなあ」と否定。「今後もみんなをあっと驚かせることを続けていきたい」と宣言した。
首にスカーフを巻き、茶色のジャケットと白いシャツとズボン姿で登場した新庄選手。阪神入団時の背番号「63」を刻印したグラブを用意したテーブルに置き、「初めての給料から、7500円で買った。こいつがもうプレーできないと言っていました」。これまで4回修理したといい、「昨夜、(もし)ウッズのライナーを受けていたら破れていたでしょう」。日米通算17年間のプレーで満身創痍(まんしんそうい)となった自身の姿と重ねた。
新庄選手はチームが進出を決めたアジアシリーズ(11月9日開幕、東京ドーム)出場について、「日本シリーズで力を使い果たした。若い選手が戦って、再び頂点を目指してほしい」と話した。
質問は、今後の進路に集中したが、「自分にも分からない」とはぐらかした。転身がうわさされた映画俳優は「冗談で言ったのに、(話が)大きくなっちゃった」、参院選出馬は「今のところは無理でしょう」と否定。「自分に何ができるかを探すのが楽しみ。夢を探しに行きます」と目を輝かせた。【芳賀竜也】
◇チームに引き継がれるファンを大切にする「遺産」
日米球界で華麗なプレーと派手なパフォーマンスで鳴らした新庄が、プロ野球人生に幕を下ろした。
初めて新庄をこの目で見たのは、日本ハム担当になった2年前の春季キャンプ。外野席で練習を見学していた地元の少年と、楽しげにキャッチボールをしていた。ファンを大切にする選手なんだな、と思った。
日本ハムの小嶋武士オーナー代行は「新庄は阪神時代とは明らかに違う意識を持っていた」と語る。新庄は01年から3年間、米大リーグでプレーした。野球の母国で接した大リーガーたちの態度から「ファンを大切にすることを学んだのだろう」と同オーナー代行。
「札幌ドームを満員にする」と掲げた新庄。そのファンへのサービス精神はチーム全体に波及し、今季開幕戦のドーム満員につながった。新庄が去っても、ファンを大切にするという「遺産」はチームに引き継がれる。
こんな選手がファンに愛されないはずがない。ただ、一つだけ納得のいかないことがあった。自分で設定した会見以外では、ほとんどコメントを発しなかったことが、なんだか不自然で残念だった。
ともあれ最初で最後となった日本シリーズで優勝し、引退の花道を飾った。グラウンドの内外を問わず、これだけ注目を集める選手が今後、プロ野球界に現れるのだろうか。【深町郁子】